幸町IVFクリニック

コラム

心とカラダにちょっと効く… 季節の処方せん

2016.04.08

 見上げると桜の淡いピンク色の世界が広がる、美しい日本の春。
分厚いコートを手放して、パステルカラーを身につけて
軽やかに歩きたくなる季節です。
ウキウキとした気持ちで、前向きに過ごしたいものです。

 それにしても、ついこの間、新年の誓いを立てたと思ったら早いものでもう4月。
「1年が過ぎるのが、年々早く感じる」と口にすると、自分が年をとったようで
ちょっと苦笑い、ですね……。
でも、お正月から3月までの時の過ぎるスピードは、他の時期に比べて
確実に早い気がするのも事実です。

 暦上の新年の始まりは1月ですが、社会生活においては
4月こそが新年度の始まりです。
諸外国に倣って9月入学へ移行するといわれて久しいですが、
現状では日本の学校は4月スタートがほとんど。
桜が満開の時季に卒入学を祝う光景は、日本の風物詩ともいえますね。
桜2
 この4月も、多くの方が環境の変化のなかにいることでしょう。
入学、就職、転職、異動、転居などなど。
ご自身の環境が変化することもあれば、ご家族や近しい方の変化の影響が
あなたに及ぶこともあるでしょう。
 
 1月は、カレンダー上では年号が変わるものの、
環境が大きく変化する人はそれほど多くはありません。
だからこそ、“ああ、新しい1年が始まったな”と時の経過に対する
感慨のほうが大きく、“今年1年、無病息災、家内安全、商売繁盛で
過ごせますように”と、わりと漠然とした願いをかけます。

 ところが、4月は違います。否が応でもスタートする新生活。
のんきに構えている時間はありません! 
これからどんな日々が待っているんだろうかと心を躍らせる一方、
不安や戸惑いを感じている方も多いのではないでしょうか。

 不安や戸惑いは、あって当たり前です。
「こんなに不安になるなんて、自分は弱い人間だ」と卑下することも、
目をつむることもありません。
いくつになっても、いや、年齢を重ねれば重ねるほど、
変化を嫌い、順応するのに時間がかかります。
いままで自分が築いてきたものを切りくずすのは大変な勇気とエネルギーが
必要ですし、新たな環境に身を置くことは大変なストレスを伴うものなのです。

 でも、いつまでもその状態で、新生活を楽しむことができないのも
もったいない話です。
人生には限りがあります。たった一度の人生ですから、楽しんだもん勝ち!
……だと思いませんか?

 自分で変えられない環境ならば、自分が変わるしかない。
そう気持ちを切り替えて、自分の心に新しい種をまいてみましょう。
いろいろな植物が芽吹く春に、あなた自身も新しく生まれ変わるのです。

 ただし。誤解しないでほしいのが、“自分が変わる”というのは、
無理をして周囲に合わせるということではありません。
 まったく話がかみ合わない、好みも性格も合わない相手に迎合して、
好きでもないものを好きだといい、楽しくないのに楽しいフリをする
必要はありません。それではストレスがたまる一方。

 そういう相手とはつき合わないのがいちばんですが、そうはいかない場合。
「この人はなんでこんなことを言うんだろう」「この人のこういうところが嫌い」と
ウジウジ抱え込むと、あなたの心はどんどん荒れてしまいます。
 ここは、いっそのこと、相手の懐に飛び込んでみましょう。
「この人がこんなことを言うのは、こういうバックボーンがあるからなのね」
「この人のこういうところが嫌いと思ったけど、裏を返せば長所でもあるのか」
と、相手への理解が深まるほど、相手の言動の真意がくみ取れるようになり、
どんどんストレスが減っていきます。どんな人にも、いいところはあるものです。
相手のいいところ探しをすることが、そのまま自分のストレス軽減に
つながるのですから、一石二鳥!

 幸い4月は、花見や歓送迎会など宴席が増える時季です。
それを好機ととらえ、苦手な人にこそ近づいてみましょう。
美しい桜の花の下でひざを突き合わせれば、相手との距離が
グンと縮まるはず。お互いの知らなかった一面や、意外な共通点を見つけて、
大いに盛り上がったら大成功!
食事2
 とはいえ、暴飲暴食には要注意です! 
ストレスの要因は、人間関係だけではありません。
季節の変化や、暴飲暴食も体には大きなストレスを与えます。

 誰もが最初は張り切ります。1日も早く慣れて、自分を理解してもらって、
心地よく過ごせる日常を構築したいと願っています。
新しい環境の中で、どうしても緊張状態が続く4月ですから、
せめて体だけでもゆっくりと休めてあげてください。

 とくに大きな環境の変化があった方は、今年のゴールデンウィークは
遊びはほどほどにして、心身をリラックスさせましょう。
芽2
 心にまいた種が育つためには、たっぷりと栄養をあげることが大切ですよ。   

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