幸町IVFクリニック

着床前遺伝学的検査(PGT)

着床前遺伝学的検査(PGT:preimplantation genetic testing)は、受精後の胚から5~10個の細胞を取り出し、染色体や遺伝子を調べる新しい生殖補助医療です。

PGTの種類

1PGT-A

染色体の数の異常による各染色体の増加や減少を調べるPGT

2PGT-SR

染色体の構造異常による染色体の部分的な過剰や欠失を調べるPGT

3PGT-M

重篤な遺伝性疾患を引き起こす可能性のある遺伝子の変異を調べるPGT

PGTの種類

PGTの位置づけ

日本産科婦人科学会PGT-A特別臨床研究は、2022年8月で終了しました。9月からは「医療行為」として実施されます。
当院は、2020年4月よりPGT-A特別臨床研究に参加し実績を積んでまいりました。今後も、PGT-AおよびPGT-SRの実施施設としてPGTの医療提供を積極的に行っていきます。

当院は、PGT-A/SR の実施施設として日本産科婦人科学会より認定を受けています

PGTの検査対象

着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)の検査対象

・反復する体外受精胚移植の不成功の既往を有する不妊症の夫婦
・反復する流死産の既往を有する不育症の夫婦
ただし、夫婦のいずれかに染色体構造異常(均衡型染色体転座など)が確認されている場合を除く

着床前胚染色体構造異常検査(PGT-SR)の検査対象

・夫婦いずれかの染色体構造異常(均衡型染色体転座など)が確認されている不育症(もしくは不妊症)の夫婦
ただし、妊娠既往もしくは流死産既往は問わない

インフォームドコンセント

1)動画の視聴

PGT を検討されている方は、日本産科婦人科学会が作成した2つの動画を視聴してください。
動画1 「不妊症および不育症を対象とした着床前遺伝学的検査(PGT-A・SR)」
動画2 「PGT-A の検査対象をなぜ限定しているのか」

動画はこちら 動画視聴確認チェックシート

2)院長の外来

PGT-A/SR に係る方針を相談します。ここで説明書・同意書など書類をお渡しします。

説明書

3)事前遺伝カウンセリング

※ 2)院長外来と 3)事前遺伝カウンセリングをまとめて実施することはできません。

4)書類の提出

以下の書類を提出していただきます。

  • 動画視聴確認チェックシート
  • PGT-A/SR 同意書
  • 検査会社の同意書
インフォームド・コンセント

PGT-A/SRの流れ

1体外受精のために過排卵刺激して卵子を回収します。

2回収した卵子の体外受精(または顕微授精)を確認し培養します。

3胚盤胞が得られたら、数個の細胞を生検します。
本研究では、採卵5日目の胚盤胞期の栄養外胚葉(将来胎盤になる部分)から、顕微鏡下で胚盤胞を把持し透明帯に穴を開けて中の数細胞を生検します。

胚生検図

4胚盤胞から採取した細胞(生検細胞)をPGT-A解析施設に輸送します。

5生検後の胚盤胞は一旦凍結します。

6生検細胞の染色体解析により、染色体の数が正常かどうかの判定を行います。
検査施設では、この細胞からDNAを増殖させて、適切な方法で染色体の数の異常を調べます。

次世代シークエンサーを用いた解析

7移植可能胚と判定された胚盤胞を融解して子宮内に移植します。

8妊娠が成立した場合は、妊娠12週前後まで注意深く診察を継続します。

9以後の妊婦健診、分娩は通常の体外受精と同じです。

10 日本産科婦人科学会に治療内容を報告

学会のデータベースに治療の詳細を症例毎に登録します。この登録を適切に実施することにより、保険診療や自治体の助成を受けることが可能になります。匿名性はしっかり確保されますのでご安心ください。
学会では、データベースを2次利用して研究を行うことがあります。

研究へのご協力のお願い

費用(税込)

遺伝カウンセリング 5,500~11,000円
(内容による)
胚盤胞PGT-A(胚盤胞1個あたり)※体外受精、顕微授精、凍結融解胚移植の費用が別途かかります。 110,000円

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