保険は診療内容に制限があります
保険診療は、いわゆる標準的な治療(主に診療ガイドラインにて推奨度AまたはB)しか実施できません。保険外診療(主に診療ガイドラインにて推奨度C)を、保険診療と同時または並行して行うと混合診療と見なされルール違反になってしまいます。ただし、これには特例があります。先進医療(#)として登録された治療に関しては、混合診療が可能という制度があります。
※先進医療とは、保険診療として認められていない先進的な医療技術等について、安全性・有効性等を確保するための施設基準等を設定し、保険診療と保険外診療との併用を認め、将来的な保険導入に向けた評価を行う制度
保険診療
卵巣刺激、採卵、体外受精、顕微授精、胚移植、胚の凍結・融解、黄体補充など、基本的な生殖補助医療は、保険診療として実施できます。ただし、薬剤の選択や用法、検査の回数に制限があります。
混合診療が認められている保険外診療(先進医療)
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タイムラプス培養
保険診療と混合して実施できます。当院では、全症例にタイムラプス培養を実施しています。
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ERA、EMMA、ALICE、子宮内フローラ検査(着床不全の検査)
保険診療と混合して実施できます。
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ZyMot(精子セパレーター)
保険診療と混合して実施できます。当院では、全症例にZyMotを使用しています(2023年4月以降)。
ZyMotの説明はこちら
混合診療が認められていない保険外診療
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精子DNA損傷検査
保険診療として認められていないため、実施できません。
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レスキューICSI
保険診療として認められていないため、実施できません。
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PRP(多血小板血漿)を用いた治療
保険診療として認められていないため、実施できません。
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着床前遺伝学的検査(PGT-A/SR)
体外受精部分も含めて全額自費になります。
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子宮内膜の病理検査における免疫染色
一般的な病理検査は実施できますが、診断精度を上げるための免疫染色は実施できません。
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抗精子抗体
保険診療として認められていないため、検査できません。
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サプリ(DHEA、メラトニン)
混合診療と見なされる可能性があり、販売できません。
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貯卵(繰り返し採卵を行い胚をストックすること)
貯卵目的の採卵はできません。