1年の折り返し地点を前に、体のSOSに耳を傾けて
衣替えが追いつかないほど、日差しが強く夏日が増える6月がやってきました。初夏の到来です。ただし、それは晴れた日の話。そう、日本の6月といえば“梅雨”。“梅雨”という言葉を発するとき、人はつい眉をしかめてしまいます。なぜそんなに“嫌われもの”になってしまったのでしょう?
雨が続くから? 蒸し暑いから? 洗濯物が生乾きだから? 湿気のせいでヘアスタイルがうまくまとまらないから? もちろん、それらも理由のひとつでしょうが、大きな理由は、「なんとなく体調がすぐれない」からではないでしょうか。
梅雨時季になると、頭痛、眠気、食欲不振、疲れが抜けないといった症状を訴える女性が多いそうです。原因として考えられるのが、低気圧の影響。そもそも、低気圧とは大気が熱せられて上昇気流が起こり、大気中の酸素が薄くなっている状態です。血液中の酸素分圧も低下して血管が膨張し、脳の神経を圧迫することで頭痛がひどくなったり、眠くなったりするといわれています。
血管が膨張するので血流が増え、だるさ、関節痛といったさまざまな炎症反応が起こりやすくなります。また、低気圧は自律神経のバランスをくずす原因にもなります。気圧の変化が、心身にストレスになってしまうのです。
さらに、梅雨時は日照時間が少なくなります。とくに去年の梅雨時はエルニーニョ現象の影響で、日照時間が1日30分にも満たない日が8日間以上も続き、ニュースになりました。日差しには「メラトニン」というホルモンをつくる働きがあります。「メラトニン」は体のバランスを整える大事なホルモンです。日照時間が少ないと、「メラトニン」がつくられにくくなり、体調をくずしやすくなります。
“梅雨寒”という言葉があるように、気温が不安定で毎日の気温差が激しいのもこの時期の特徴。夏カゼにも要注意です。
そう、梅雨の時期の不調は誰にも起こることで、自然現象が原因。ある意味“仕方のないこと”なんですね。そんなときに、「なぜ、本来の調子が出ないんだろう」と悩んだり、「もっとできるはずだ!」とがんばりすぎる必要はありません。ちょっと歯がゆいかもしれませんが、ここはひとつ、流れに身を任せてみませんか。1年の折り返し地点を前に、ちょっとひと休み。心身にたまったストレスを発散しましょう。
ストレス発散といっても、何をどうすればいいかわからない人も多いでしょう。「ストレスは健康の大敵」という言葉自体にストレスを感じる、という本末転倒の人も多いと聞きます。
自分らしくいられる空間や作業、趣味のある人はそれに没頭すればOK。そういうものがない人、あるいは気分が滅入ってそういうものをする気力がどうにもわかないという人は、体のケアを行ないましょう。