幸町IVFクリニック

培養室長

妊活ドックは自費検査です。

2018.12.28

こんにちは 幸町IVFクリニック 培養室の雀部です。 


昨日、ブログの年納めのご挨拶をしたんですが、そういえば妊活ドックの費用について書き忘れてたので、追加します。

 

先日も、検査のみを希望する方から電話でお問い合わせがあって、妊活ドックの説明と費用について説明したら、何で保険適応されないんですか!?って怒られたよーって受付さんがいうので、詳しく説明していきますね。

 

妊活ドックは基本的に自費で行う検査です。

 

日本では国民皆保険制度っていう一見おサイフに優しい制度があって、病院へ行って治療や検査をしても負担額は3割で済むっていう刷り込みがあるのかもしれません。でも実際には、病院で何をやっても3割負担で済むというわけではなく、保険を適応される場合とされない場合があります。

 

保険を適応される場合は、基本的に何か病気を疑う症状がある場合です。治療やそれに伴う検査の費用は、保険適応が承認されている内容に限って3割負担のみで済みます。

逆に、特に病気を疑う症状がなく、本人の希望によって検査する場合や保険承認されていない治療法を行う場合は保険適応を受けることができないので、10割負担の自費になります。

 

(・・・ちなみに、一般不妊治療歴がなく、最初から体外受精を希望している場合、この場合は体外受精そのものが保険適応となる治療法ではないので、検査も最初からすべて自費になります。保険適応になる不妊治療は一般不妊治療のことを指しています。)

 

つまり、ざっくり言うと

病気を疑う症状がある、病気を疑う状態である病気の可能性があるので、承認範囲内で保険診療

症状や状態はないけど気になるので検査したい→病気じゃないので自費診療

という違いがあります。

 

不妊の検査で保険が適応されるって聞きましたけど!?

この情報も間違いではありません。ご夫婦で妊娠希望しているのに妊娠しないという「症状」や「状態」(これは3年前からだろうが、昨日の夜から思いつこうがどちらでもいいんです)があって、治療を希望しているのですから、検査や治療は保険が承認されている範囲で適応されて3割負担となります。

一方で妊活ドックの場合、「症状や病態があるわけではないけど、いずれ妊娠を希望したときのために検査しておきたい」という理由で検査するので、自費診療ということになります。同様に人間ドック等も「特定の症状はないけど自身の健康チェックのため」という理由で受けるので自費診療ですよね。

 

不妊クリニックのホームページをみると保険適応って書いてるとこもあるけど?って思われるかもしれません。本来はどこの施設も「妊娠を希望しているから受診するんですよね?」って前提で内容を紹介しているので、保険適応できる場合もあります。もし同じ施設でも、最初から「治療は希望してないので検査のみで」って堂々と主張したら、本来なら保険適応にはならないはずです。(なってたら、厳密には不正請求です。)

 

まあ、検査始めました!って説明しといて、私がいうのもナンですが・・・。

本当は、とりあえず妊活ドック受けてみて、それから妊娠する時期を考えようっていうのは、あまり健全ではないです。

えぇっー!?妊活ドックって自費なの!?

ってドン引くなら、むしろ妊活ドック検討しようかなって思ったのをよい機会に、早めに妊娠・出産に取り組んで、ご夫婦だけでは上手くいかないかなって思ったら早く病院へ相談しようって考えて頂くのが一番望ましいと思います。その方が検査だって保険でできる項目もありますし。

 

妊活ドックはどちらかというと、「今まで全然、妊娠・出産なんて考えもしなかったってご夫婦が、ある日急に、妊娠するぞ!って思ったら実際には妊娠しにくいご夫婦だった」って後から後悔することがないようにしたいって思いで始めた検査です。

 

世の中の多くの方は妊娠や出産なんてものは生理現象のように簡単だし、そんなに大変じゃないってし、思っているかもしれません。でも確実に、妊娠しにくいご夫婦もいますし、安全に出産までたどり着けない赤ちゃんもいます。でもそれがご自身に当てはまるなんて全く考えてない方がほとんどだと思います。

今すぐ妊娠を希望していなくても、それらの情報を予めご夫婦が知っている上での選択かどうか、で妊活の結果も満足度も大きく変わると思います。人生、お金も大事。時間も大事。でも時に妊活の場合は時間の方が圧倒的に大事になることもしばしばです。妊活ドックを検討しようって思われたら、実際に検査を受ける前に、本当にドックが必要なのか、それともよく考えたら治療を検討しているのかをご夫婦で話し合ってみるのがよいと思います。ぜひ色々話し合って最良の選択をして下さいね。

 

さて。追加といいつつ長くなりましたが、今度こそ本当に年納めです。

すいません。年末年始でお休みを頂きます。

 

皆様、どうかよいお年をお迎え下さい。

来年は1月5日から通常診療です。

来年もどうぞよろしくお願いします。

 

 

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