幸町IVFクリニック

院長

体外受精児の学力

2020.06.18

幸町IVFクリニック院長 雀部です。

今回は、体外受精児の学力の話です。

以前は、体外受精児の追跡調査というと、妊娠~出生までを追っかける短期的な研究がほとんどでした。最近は、出生後かなり長期にわたって追跡する研究が増えてきました。今回紹介するのも、そのような研究のひとつで、体外受精児の小学3年生の学力について検証しています。

Luke, B., et al. (2020). “Third grade academic achievement among children conceived with the use of in vitro fertilization: a population-based study in Texas.” Fertil Steril.

目的:体外受精児と自然妊娠児で、小学3年生の学力に差があるかどうかを評価すること

研究デザイン:テキサス州の一般集団を対象とした後ろ向きコホート研究

対象:テキサス州の公立小学校に通う8-9歳の児のうち、2012-2018年に小学3年生の標準テストを受けた、体外受精児(読解6,970人、数学6,973人)と自然妊娠児(読解12,690人、数学12,729人)

評価項目:読解と数学の成績

結論:自然妊娠児と体外受精児は同等の成績でした。体外受精によって妊娠したことは、小学3年生の学力にマイナスの影響は及ぼさない。

この研究のような大規模かつ長期に渡る研究は、日本の不得意分野(?)で、ほとんど日本からの発表はありません。今後、日本もこの様な研究に力を入れていく必要がありそうです。

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