幸町IVFクリニック

院長

食事で摂った方がいいものありますか?その2

2018.01.05

明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

幸町IVFクリニック 院長 雀部です。


今回は「食事で摂った方がいいものありますか?」の第二弾です。第一弾では、

不足しがちな栄養素

​としてあまり知られていない

ビタミン​

Dを紹介しました。第二弾は、不足しがちな栄養素の中では最もポピュラーな葉酸の話です。


葉酸と言えば、

​​

児の神経管

​閉鎖障害​

との関連が有名ですね。厚生労働省は、

児の神経管

​閉鎖障害​

を予防するために、妊娠を予定している女性は毎日0.4ミリグラムの葉酸サプリメントを妊娠前から

​摂る​

ことを推奨しています。


葉酸の効果は、児の神経

​管閉鎖障害​

の予防だけではありません。体外受精の成績にも影響を及ぼしてるようです。血中の葉酸値と体外受精の成績の関係を検証した論文を1つ紹介します。


Gaskins, A. J., et al. (2015). “Association between serum folate and vitamin B-12 and outcomes of assisted reproductive technologies.” 

​​

Am J Clin Nutr 102(4): 943-950.


​この

The American Journal of Clinical Nutrition(

​​

Am J Clin Nutr)というジャーナルは、PubMedにおいてCore Clinical Journalsに指定されている一流誌です。


論文の目的は、血中の葉酸値、ビタミンB12値と体外受精の成績の関連性について検討することです(いきなりビタミンB12が出てきましたが、葉酸とビタミンB12はお互い協力し合って働きます。葉酸が十分に足りていても、ビタミンB12が不足していると葉酸はその効果を発揮できません)
ランダムに抽出した100人の女性に対して行った154サイクルの体外受精について前方視的に解析しています(前方視的研究は後方視的研究に比べて信頼性が高くなります)。血中の葉酸とビタミンB12

​は、​

治療周期の3日目から9日目の間に測定しています。

その結果、​

治療開始時点での葉酸とビタミンB12

​が​

両方とも中央値以上の女性は

​、​

両方とも中央値以下の女性と比べて生児獲得率が1.92倍

“font-family: "ms pgothic", sans-serif; display: inline;” class=”gmail_default”>​

​(有意差有り)

​した​

葉酸とビタミンB12

​が両方とも高い女性は、体外受精の成績が良好なようです。


体外受精の治療を受けている方は、どうしても体外受精の技術的な面に目が行きがちです。しかし、どんなに良い治療を受けたとしても、妊娠の土台である身体作りができていないと、なかなかその成果が現れません。体外受精の治療効果を最大限にするためにも、妊娠しやすい身体作りをがんばりましょう。

 


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