葉酸対策
2018.01.08
幸町IVFクリニック 院長 雀部です。
前回、血中葉酸値とビタミンB12値が高い方は体外受精の成績が良好という論文を紹介しました。今回は具体的な葉酸対策の話をします。
A サプリ
で摂る
葉酸は、サプリで摂るのが手っ取り早いです。厚労省は、1日
0.
mg(
4
00μg)の摂取を勧めています。当院でも初診
の段階で、
妊娠を希望されている方全員に、葉酸のサプリを
摂る
ように勧めています。
妊娠すると葉酸の需要が増えるので、1日0.8
mg(800μg)
程度はとったほうがいいと
いう
主張もあります。
摂る
ように勧めています。
mg(1000μg)
を超えないように気をつけてください。
前回の論文でも紹介したように、葉酸は、ビタミンB12をはじめとした他のビタミンと協力し
合って
働きます。
アメリカから並行輸入した
マルチビタミン/ミネラルサプリを準備して、
鉄は入っていませんが、亜鉛対策にもなります。
ただし、
でも服用できる
葉酸
サプリに変更
してもらっています
。なぜなら、ビタミンA
は
妊娠中に過剰摂取すると胎児奇形につながる
ため、妊婦さんがサプリで積極的に
ビタミンAを
摂ることはお勧めできないからです
。
なぜ、わざわざアメリカからサプリを並行輸入しているのでしょうか?「海外ブランドのサプリを揃えておいた方が、かっこいいから」、ではありません。ちゃんと理由があります。
日本のサプリの問題点
に
少し
触れておきましょう
。
サプリは、販売ルートによって市販サプリと医家(医療機関)向けサプリに分けることができます。一般に、
市販サプリ
は
安全性
(健康被害がでないこと)
と価格
抑制
が重視され
て
いて、
〇〇成分含有と謳ってはいても、健康被害がでないように成分
用量を抑えたり
、価格抑制のために安い原材料を使用したりする傾向にあります
。よって、健康増進のために飲む分には構わないのですが、不妊治療のように成果を求めて体質改善をする目的には、まったく不十分な内容のものがほとんどです。
一方、医家向けサプリは、医者の信用力を利用して売ろうする戦略ですので、
高価格帯の商品が多くなります。その分、質のよい原材料を十分な用量入れた、内容的に充実したものが多い傾向にあります。サプリの成分によっては、有名なブランドの原材料があります。医家向けサプリの中には、そのようなブランドものの原材料を使用しているものもあるのですが、その分価格は高くなります。でも、それにしても価格が
高い!
どう考えても
高い!
このように、日本国内では内容と価格のバランスが取れた
サプリを見つけることができず、結局辿り着いたのがアメリカのサプリだったというわけです。
さすが、サプリ先進国アメリカ! 我々から見て、「こんなに入れて大丈夫なの?」と心配になるぐらいの用量が入っています。ちなみに、前述の当院で準備しているマルチビタミン/ミネラルは、メーカー推奨の服用量1日6カプセルなのですが、我々日本人には多すぎるため、当院の患者さんには1日3カプセルで飲んでもらっています。しかも、内容が充実している割に価格が安い! 関税を払っても安い! ということで、当院では、アメリカから輸入したサプリが揃う結果となっています。
B 食事で摂る
レバーや緑の葉野菜などに多く含まれています。ただし、食事からの摂取は、効率があまりよくありません。食事からの吸収率は50%程度、サプリからの吸収率は85%程度とされています。それに加えて、水溶性のため調理によって損失し易い栄養素です。葉酸に関しては、サプリは必須のようです。