○○をよく食べる人は内膜症になりにくい?
2018.03.22
幸町IVFクリニック院長 雀部です。
今回は、日々の食べ物と子宮内膜症の関連についてです。
〇〇をよく食べる人は内膜症になりにくい?
何をよく食べると内膜症になりにくいのでしょうか?さっそく論文を紹介します。
Human Reproductionという雑誌は、生殖医学領域では定番の医学誌です。
この論文は、1991年から2013年まで22年間かけて、70,835人の閉経前の女性について、果物や野菜の摂取と子宮内膜症の関係を前方視的に研究しています(以前の記事でも書きましたが、前方視的研究は、後方視的研究よりデータの信頼性が上です)。
子宮内膜症の診断は腹腔鏡にて行い、2609症例で子宮内膜症と診断されました。
研究の結果、果物の消費量と子宮内膜症のリスクは負の相関があることが分かりました。特に、柑橘類の果物との関係が顕著でした。1日に1人前以上の柑橘類を摂っている女性は、週に1人前以下の女性と比較して、22%子宮内膜症のリスクが低くなりました。ところが野菜に関しては予想に反して、1日に1人前以上のアブラナ科の野菜を摂っている女性は、週に1人前以下の女性と比較して、13%子宮内膜症のリスクが高くなりました。栄養素別の検討では、β-クリプトキサンチン(体内でビタミンAに変換されるプロビタミンA)の摂取が、子宮内膜症のリスクを下げることが分かりました。
ということで、タイトルの〇〇は、「果物」でした。
子宮内膜症は、不妊の原因になります。柑橘類の果物をよく摂り、アブラナ科の野菜を控えて予防しましょう。既に子宮内膜症を発症している方が、これによって軽快するかどうかについては、新たな研究の成果を待たなくてはなりませんが、普段の食事のことなので心掛けておいた方が良いと思います。