幸町IVFクリニック

院長

ネットより運動

2018.05.31

幸町IVFクリニック院長 雀部です。

これまで、食事、睡眠を取り上げてきましたが、運動も忘れてはいけません。今回は、運動の話をしましょう。

早速、今年4月に発表されたばかりの論文を紹介します。

Russo, L. M., et al. (2018). “A prospective study of physical activity and fecundability in women with a history of pregnancy loss.” Hum Reprod.

流産歴1-2回、年齢18-40歳の健康な女性1214人を対象とした研究です。(妊娠と生殖における低用量アスピリンの効果を検証する研究のセカンドの研究として実施されたため、流産歴1-2回の女性が対象となっています。)この研究の参加者には、過去1週間の運動状況の自己申告後に、6性周期に渡り、妊娠を試みてもらいます。そして、運動状況と妊娠しやすさの関連について検討しました。

その結果、BMI25以上の女性は、ウォーキング(1回10分以上、中央値 週3時間)をやるだけでも、妊娠しやすくなることがわかりました。また、週4時間以上、激しい運動をする女性は、まったく激しい運動をしない女性と比べて、妊娠しやすいことがわかりました。

ある生殖医療専門医の先生が、「不妊治療中の患者さんは、ネット中毒の方が非常に多い。ネットを見ている暇があったら、外に出て運動した方が、よっぽど妊娠への近道なのに・・・」とおっしゃっていました。私も同感です。

「何か妊娠に結びつくいい情報がないかな」と、ネットをやっていると、あっという間に30分、1時間経ってしまいます。何時間もかけて探しても、ろくな情報が転がっていません。情報収集はわれわれ専門家に任せて、外に出ましょう。その方が、精神衛生上もいいですし、内分泌環境も変わってきます。

ウォーキング程度の運動で結構です(逆に、今まで運動してこなかった方は、いきなり激しい運動はしないで下さい)。週に3時間以上を目安に運動してください。気持ちも前向きになれますよ。

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