幸町IVFクリニック

院長

夜勤シフトは閉経を早める?

2019.02.14

幸町IVFクリニック院長 雀部です。

今回は、夜勤の多い職業と妊活の関係についての話題です。

夜勤の多い職業に就かれている方、本当にご苦労様です。

夜寝ないで仕事をするのは、身体的にきついですよね。私自身も、以前はお産もやっていましたので、夜勤のつらさは身にしみてわかります。若い内は、まだ体力がありますので、一晩ぐらい寝なくてもなんとかなるのですが、年齢を重ねると段々きつくなってきます。

この体力を消耗する夜勤シフトが閉経年齢に及ぼす影響を検討した観察研究を紹介します。今月発表されたばかりの最新の論文です。

Stock, D., et al. (2019). “Rotating night shift work and menopausal age.” Hum Reprod.

22年間(1991~2013年)、80,840人の看護師を対象に行った大規模な研究です。

22年間の観察期間中に、27,456人(34%)が自然閉経を迎えました。

その結果、2年間に20ヶ月以上、ローテーションで夜勤シフトこなしている女性は、夜勤シフトの無い女性と比較して、早期閉経のリスクが高いことがわかりました(MV-HR=1.09, 95%CI: 1.02-1.16)。

2年間に20ヶ月以上の夜勤シフトは、45歳未満で閉経または観察が打ち切られた女性において、特に早期閉経のリスクが高いことがわかりました(MV-HR=1.25, 95%CI: 1.08-1.46)。

同様に、累積10年以上の夜勤シフトは、45歳未満で閉経または観察が打ち切られた女性において、早期閉経のリスクが高いことがわかりました(累積10-19年 MV-HR=1.22, 95%CI: 1.03-1.44)(累積20年以上 MV-HR=1.73, 95%CI: 0.99-3.35)。

夜勤シフトは、閉経を早め、生殖可能な期間を短くする可能性があります。妊活を考える時期がきたら、夜勤シフトの多い方は、仕事を見直す必要があるかもしれません。

 

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