幸町IVFクリニック

培養室

抗精子抗体

2022.03.15

こんにちは!今回は培養室の田幡が担当致します!

2回目のブログ投稿をいうことで、ちょっとドキドキです!!

 

前回は自己紹介だけだったので、今回は培養室の人っぽいことをお話してみたいと思います!!

 

さて、今日は 『抗精子抗体』 のお話です!


なんでこのテーマなのかと

それは私が、幸町で働き始めて不妊治療のことを勉強して、

え!!なんだそれ!! と感動したからです!

 

皆さんが感動するかはわかりませんが、不思議だな~話したいな~と思いました( ´∀` )

 

大学では、繁殖学の勉強をしてはいましたが、実際病院で働いてみると始めて聞く言葉がいっぱい

 

『抗精子抗体』という言葉もその一つで、患者様の中にはこの抗体を持っている方もいて、そのせいで受精できない と知ってから、それはなんだと気になり、先輩に聞いたり調べたりしました。

 

抗精子抗体とは、その名前の通り 精子に抗うもの ということ。

  

そもそも抗体とは、ヒトの身体を外敵(抗原つまりはウイルスとか)から守ってくれるもの。

 

味方じゃん!と思う反面、私たちの望んでいる受精の邪魔をしてしまうことがあるんですっっ!!

 

妊娠したいのに!子供を望んでいるのに!

なんなんだ!!! と思いませんか???

 

でもそれは、女性の身体を守ってくれようとした反応で間違いないんです。

女性の身体にとって精子は、“異物”なんです。

精子はもともと女性の体内にあるものではないので、外敵とみなされるのです。

だから、夫婦生活によって精子が女性の体内に入ると、それに対する免疫反応として、抗体ができることがあるんです。

と、いってもこの抗体ができるのは不妊症の方の3‐4%ほどです。

 

抗精子抗体は、子宮腔内や卵管内、頸管粘液中など子宮のあらゆる部分に分泌されます。

そして、その抗体が侵入した精子と結合すると、精子は運動性がなくなり、卵までたどり着けなくなってしまう、たどり着けても受精を阻害される、というわけです。

 

しかもこの抗精子抗体、男性側にもあるんです!

へ?男性も??と思いました。

 

本来混ざるはずのない血液と精子ですが、手術などによる外傷や炎症によって、精子が血液中に入ってしまうと精子は外敵とみなされ、抗体が作られてしまいます。

そうして、射出精子の細胞膜上に結合する抗精子抗体が、受精の障害になることがあります。

所見が良くても受精しなかった場合は、抗精子抗体が関係している可能性もある、ということですね。

  

陽性だった方は、当院では顕微授精(ICSI)を選択しています!

このように治療方法はあるので心配はいりません!

  

しかし、大事なのは早期発見であり、抗体が見つかるかどうかが鍵になってきます!!

抗体検査をしておらず、本当は抗体を持っていたのにそれに気づかず、どんどん人工受精(IUI)で精子を体内に入れていくと、知らず知らずのうちに抗体を増やしていってしまうことになります。

 

抗精子抗体は、血液検査で検査することができます!

が、4月から不妊治療は保険適用になるということで

この検査項目が現状まだ保険適用になっていないので、今後は今と同じように検査することができなくなってしまうかもしれません

 

早く見つけることができれば、早いうちに適切な治療ができます!

気になった方は、ぜひ一度相談してみてください。

 

子供を望む夫婦生活で、不妊になってしまうことがあるなんて!!Σ(゚д゚lll)ガーン

と、びっくりも落ち込みもしましたが、患者さまは一生懸命治療しているので

私も負けてられません!!

 

私が、ICSIをできるようになるまではまだ時間がかかると思いますが…(-_-;)

患者さまの頑張りに負けないよう頑張ります!(笑)

  

ちなみに、不妊に関与する抗体には、『抗卵子抗体』や『抗透明帯抗体』などもあるので興味がわいた方は、ちょっと調べてみてください♪

  

 

暖かくなってお花が見頃になる季節ですが、体調も崩しやすくなるので

お気をつけてお過ごしください♪

 

ちなみに私は、あしかがフラワーパークの藤の花とひたち海浜公園のネモフィラがとっっってもオススメなのでよろしければ画像検索だけでも…(*´艸`)

  

それではまた♪

 

 

 

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