幸町IVFクリニック

培養室

不育症について

2022.06.24

こんにちは!  検査技師の佐藤です。
今回は「不育症」について少しお話させていただきます。

不育症とは、妊娠はするものの流産や死産を繰り返して生児を得ることができない病態をいいます。流産を繰り返す反復流産(2回以上の流産)、習慣流産(3回連続した流産)に加え、死産・早期新生児死亡を繰り返す場合を含めて【不育症】としています。

流産は女性の年齢にもよりますが、全妊娠の約15%あり、不育症の頻度は約5%と報告されています(化学流産は不育症の流産回数には含みません)。

下記は不育症の主な原因です。

①血液凝固能異常
血液凝固能に異常があると、胎盤内で血栓がつくられ流産や早産の原因になります。
②免疫学的異常
  膠原病や抗リン脂質抗体症候群などの自己免疫異常があると、胎盤の発育障害や血栓形成などの原因となります。また、通常このようなことにならない仕組みがありますが、胎児を母体にとっての異物と認識してしまう同種免疫異常も流産の原因となります。
③内分泌学的異常
  甲状腺機能の異常や糖代謝の異常など、内分泌異常は不妊や流産に影響しそのリスクが高まるとされています。
④子宮形態異常
  子宮の形態異常や筋腫・癒着など、特に中隔子宮では流産しやすいことが分かっています。
⑤両親の染色体異常
  夫婦のいずれかに転座や構造異常などの染色体異常が認められる場合もリスクが高まります。

このように、流産のリスク因子は様々あります。原因としては上記のようなものが考えられていますが、現在のところ確立した検査や治療法が限られているため、検査をしても明らかな原因が判らない場合もあります。

先ずは検査を行って原因検索をします。
不育症は抗血栓療法や、薬物治療、手術、着床前検査など、適切な治療や処置を行うことによって、無事に出産できると言われています。

当院でも該当の患者様には検査をさせていただき、患者様それぞれに合わせた治療やサポート体制を整えております。
自治体の助成金制度もありますので、活用しながら治療を進めてまいりましょう。

もう少し梅雨が続きますが、体調を崩さないように気を付けてお過ごしくださいね。
それでは今回はこの辺で(*^^*)

 

 

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