採卵について
こんにちは!培養室の堀井です。
突然ですが、インスタグラムに当院のアカウントがあることをご存じでしょうか??
インスタグラムでは、セミナーのお知らせや、卵子、精子の動画などを投稿しています。
(たまに府中市についての投稿もしています…!たま~にですよ…??(;’∀’))
先日は、当院の採卵室の動画をアップしたところ、なんと約10,000回再生されました!!
多くの方に見ていただき、感謝の気持ちでいっぱいです…!
採卵室の動画が伸びていたということは、採卵について気になっている方が多いのではないでしょうか…?
そこで今回のブログでは、採卵についてお話ししようと思います。
そもそも、体外受精とはその名の通り、通常は体内で起きている受精を体外で行い、
受精した卵子を子宮に戻す技術です。
体外受精を行うためには、体内から卵子を回収する採卵という手術が必要となります。
手術ではありますが、10~15分程度で終了し、その日に帰宅できるものとなっています。
(採卵にかかる時間は育っている卵子の数によって異なります。)
採卵は、卵巣にある卵胞を穿刺し、卵胞内の卵子を吸引によって回収します。
卵胞を穿刺するので、先に局所麻酔を行い、採卵中の痛みを和らげます。
局所麻酔は採卵中の痛みをきちんと和らげつつも、静脈麻酔と比べて身体の負担は少なく、早く帰宅できるので、当院では全症例で局所麻酔を用いて行っております。
採卵の日の流れは大まかに、
朝9時に来院していただき、診察室にて、経腟超音波装置で排卵していないかを確認
↓
リカバリー室へ移動し、お着替えやお手洗いを済ませる
↓
採卵室へ移動し、採卵開始
↓
リカバリー室で安静にしていただき、その後術後診察
という流れになります。
この流れで半日くらいはかかります…(局所麻酔でもこのくらい時間になります…)
ご了承ください…
では、この流れを詳しくお話していきます。
まず初めに、診察室にて、ここまで育ててきた卵子が排卵していないことを確認し、
採卵ができるかどうか判断します。
無事に排卵せず、採卵ができる状態だった場合、
・腟内の洗浄
・局所麻酔の副作用を抑えるための注射
を行います。
膣内洗浄は、採卵での穿刺による感染を防ぐために行います。
痛みや違和感を伴う可能性がありますが、安全のためなので少し堪えてください…
局所麻酔は副作用として具合が悪くなってしまう場合があるため、
採卵の前に副作用を抑える注射を行い、患者様の負担が軽くなるようにします。
ここまで診察室で行った後、リカバリー室へ移動します。
患者様は術衣に着替え、お手洗いを済ませたら、リカバリー室でお待ちください。
用意が終わった頃に看護師が採卵室へとご案内します。
採卵室に入室したら、採卵が始まります。
まず、局所麻酔を穿刺部位に直接投与し、麻酔薬を浸潤させます。
局所麻酔後、経腟超音波装置で骨盤内を確認しながら卵胞を穿刺し、卵子を回収します。
すべての卵胞を穿刺したら、採卵は終了となります。
まれに卵胞の中に卵子がない可能性があるので、培養室で卵子があるか確認し、
無事に卵子を確認できたら、体外受精を行います。
患者様は、リカバリー室へ戻り、術後診察まで安静にしていただきます。
術後診察は11時~12時ごろに行い、問題がなければ帰宅となります。
以上が採卵の流れとなります。
採卵当日は採卵の準備や、採卵後の安静にする時間、術後診察があるので、
どうしても時間がかかってしまいます…
また、採卵中は麻酔を用いて患者様の負担を減らすようにはしていますが、
卵子を多く育てていた方は、採卵後に生理痛のような痛みを感じやすくなります。
そのため、採卵の日は無理に予定を入れずに、ゆっくり過ごすことをお勧めします!
ここまで聞くと、採卵って身体への負担が重そう…とか思ってしまいますよね…
実際に、卵子を多く育てるほど身体の負担は大きくなります。
しかし、卵子は ‘‘ 多すぎず、少なすぎず ‘‘ というちょうど良い量を育てないと
卵子の質が下がってしまうといわれております。
そのため当院では、患者様の体質に合わせながら、身体の負担が少なく、なるべく質の良い卵子を多く育てるようにしています!
最初にもお話ししたように、採卵は体外受精を行うためには必ず通る道です。
大変な場面もあるかもしれませんが、スタッフもサポートさせていただきますので、
赤ちゃんをお迎えするために…!!という気持ちで一緒に頑張りましょう!
最後になりますが、当院の年末年始のお休みのお知らせです。
当院は、2023年12月28日から2024年1月3日までがお休みです。
2024年1月4日からは通常診察となります。
こちらのお知らせもインスタグラムにアップしているので、チェックしてみてください!
(インスタグラムに不慣れな中、スタッフが一生懸命投稿しているのでぜひ…(´;ω;`))
12月は忙しくてなかなか休めず、疲れがたまっている方もいるかと思います…
年末年始にゆっくり休んで、また新年から新たな気持ちで一緒に頑張りましょう!
皆様が素敵な一年を迎えられますように…!