幸町IVFクリニック

培養室

3ヶ月で精子が元気に?!

2011.08.25

ひんやりジェルマットの上でだらだらするのがお気に入り

培養室の吉田です。今日は禁煙のススメについてです。

 

パソコンの前に座っている愛煙家のご主人も、ブラウザを閉じずに

ちょっとだけお付き合いを♪

 

培養室で胚を扱う際には、細いガラスの管とチューブをつないで

チューブを口にくわえ、息を吸ったり吐いたりすることで、ガラスの管に

胚を出し入れして培養液の中を移動させます。

培養液はとても不安定で、周囲の環境が変わると胚にとっての最適な状態が

すぐに崩れてしまいます。喫煙者の呼気には一酸化炭素が含まれていて、

胚を処理する際に、ほんのわずかですが一酸化炭素と培養液とが

接してしまいます。

それが原因で胚にダメージを与え、体外受精の成績に影響する可能性が

あるため、当院の胚培養士は全員が非喫煙者です。

実は採用面接の時からチェックしているんですよ~(・・)!

 


体外受精をなさる患者様にも、必ず禁煙をしてもらっています。

採卵をする周期の前周期、準備の周期の後半で、卵子の育ち具合を

調節するためにピルを処方することが多いのですが、タバコを吸いながら

その薬を服用してしまうと、血栓症を起こすリスクがあるんです。

血栓症とは、血管の中で血液が固まり、その塊が血流に乗って全身に

運ばれ、細い血管に詰まって血流を遮ってしまい、臓器がうまく機能

できなくなる状態です。

詰まる部位によって症状は異なりますが、脳が機能しなくなったり、

肺が機能しなくなったり、足が動かなくなったり・・・とっても怖い状態です。

そんな理由で、奥様には絶対禁煙をお願いしています。

 

ちなみにピルは、月経周期を整えるためや、避妊を目的として、

また生理の日をずらすためになど、様々な目的で服用されますが、

どのような場合でも血栓症のリスクがありますので、女性は不妊治療

しているかどうかに関わらず、タバコはやめたほうがいいですよ(^^)

 

 

禁煙を勧める理由はそれだけではありません。

タバコを吸うと全身に酸素が行き渡りにくくなります。毒素や異物も

除去しきれずに溜まります。

体内のすべての臓器が、本来持っている力を出し切れていない状態で

生活していることになります。脳も、筋肉も、心臓も、肺も、胃腸も、

肝臓も、お肌も、もちろん生殖器も。

 

そんな状態でつくられた卵子や精子は、元気がいいはずはありませんよね。

 

奥様は皆様必ず禁煙していただいていますが、落とし穴はご主人です。

実際、患者様に聞いてみると、ご主人が喫煙されている方が結構

いらっしゃいます。ご主人の喫煙について先生が厳しく指導するケースは

あまりありません。

しかーし!!体の中で精子が完成するのに約3ヶ月かかります。

今日射出された精子は3ヶ月間も、体の内でタバコの害を受け続けながら

旅を続けてきたのです。

 

元気な精子は1日にしてならず。

実際に、「禁煙してしばらくしたら、精子の所見が良くなったんです!」

と診察室で喜ぶ患者様の声も聞きました。

奥様は毎日のように採血や注射の痛みに耐えています(;_;)

私たち培養士も、精一杯手を尽くします。

日々の生活習慣を変えるのはとても大変なことですが、せっかく高額な

治療費をかけて体外受精を行うのです。ご主人もぜひ禁煙をして、

ベストな精子を培養室へ届けてくださいね!!

 

それではまた~(^^)/


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