あなたの子宮はどっち向き?
こんにちは。早くもコタツを出してぬくぬく生活を始めた、
培養室の吉田です。
紅葉の季節がやってきましたね。
府中駅西側のけやき並木も毎年綺麗に紅葉しますよ(^^)
秋の澄んだ空気を胸いっぱい吸ってリフレッシュしましょう!!
さて、今日は子宮の向きと胚移植のおはなしです。
子宮は、体の中でまっすぐ垂直にあるイメージがありますが、実は、
曲がっている場合が多いのです。
大体の方はいつも向きが決まっていて、お腹側に曲がる「前屈」の方、
背中側に曲がる「後屈」の方に分かれます。前屈の方のほうが割合は
多いのですが、後屈だからといって特別なわけではありません。
婦人科で診察をすればどちらなのか判りますが、日常生活の中では誰も
気付きませんし、どちらかがお得、ということもないのです。
では、どうしてこの話をするかというと・・・
あなたの子宮が前屈か後屈かによって、胚移植の方法がちょっと
異なるからです(゚0゚)
前屈の方は、子宮の前側にある膀胱に尿が溜まると、曲がっていた子宮が
膀胱に押されて伸び、胚移植のカテーテルがスムーズに入りやすくなります。
また、水分は超音波をよく通しますので、お腹の上から超音波を当てたとき、
膀胱を通して子宮内膜の様子をはっきり見ることができます。
というわけで、胚移植の際に尿を溜めていただきます。
後屈の方は、膀胱と子宮の曲がり具合とが関係ありませんので、カテーテルを
通すためのガイドをあらかじめ入れておいて、その中にカテーテルを通して
胚移植をします。
子宮が背中側に曲がっているため、お腹の上からの超音波では内膜の様子を
見ることが出来ませんので、腟方向から超音波を当てて子宮の様子を観察
します。胚移植の際には、直前にお手洗いに行っていただいて、膀胱を
空っぽにします。
当院では、体外受精をする前に準備周期を設け、1ヶ月かけて様々な検査を
します。その中に胚移植トライアルという検査がありますが、これは胚移植
の予行演習です。
超音波で子宮の内膜がよく見えるかどうか、子宮の入り口をスムーズにカテーテルが通るかどうか、子宮内膜の奥行きは何センチあるかを調べて、実際の胚移植に備えます。
子宮が前屈の方には、トライアルの際や胚移植の際に尿を溜めていただきます。
溜める量は「膀胱全体の7割から8割くらい」と、何ともアバウト(^^;)
膀胱の大きさには個人差があるのでどのくらい水分を摂取すればいいか、
基準となるものがないんです。
意識して尿を溜めたことのある方なんてそうそういないと思いますので、
7割、8割と言われても・・・??? ですよねぇ~、うーん(._ .)
これはお腹から見た子宮の写真です。上がお腹側、下が背中側です。
お手洗いに行ったばかりの時には、膀胱が全く見えず、子宮も大きく
屈曲しています。
真っ黒い部分が膀胱ですが、時間がたつにつれて尿が溜まって膀胱が
大きくなり、子宮の屈曲が緩くなっていきます。
このくらい溜まれば準備OK!子宮の内膜がくっきり見えますね。
だいぶ尿意があるはずです(>_<)
このくらいが大体7~8割だと思います。
ちなみに、さらに我慢し続けると・・・こんなに溜まります。
膀胱って本当によく伸びますね。ここまで溜まってしまうと
アウトです(+o+)
処置の時には膀胱が器具で圧迫されてさらに尿意が増すので、
少し余力を残しておかないととっても辛くなってしまいます。
来院してから350~400ccくらいお水を飲んで、ちょうど良く
溜まる方が多いようです。夏場は多めに、冬場は少なめに、
普段お手洗いにあまり行かない方は多めに、直前にお食事をとった場合は
少なめに、スタッフと相談しながらお水を飲んでみて下さい。
我慢できそうにないくらい溜まってしまったら、一度お手洗いに行って下さいね(^^)
たくさんお水を飲んでいれば、一度お手洗いに行ってもすぐに溜まって
きますから大丈夫です!
トライアルの時にどのくらいお水を飲んでいたか覚えておいて頂くと、
胚移植の時にも安心ですね♪
あ、言い忘れましたが、尿を我慢してばかりいると
膀胱炎になってしまいますので、どうぞ練習は程々に・・・(^^;)