胚のグレードって？

すっかり涼しくなってきましたね、

培養室の高村です。

 

 

さて、今回は桑実胚と胞胚の違いについて少しお話したいと思います。

たまに耳にする間違った表現に

『桑実胚より胞胚の方がグレードが良い！』

と言うものがあります。

この言い回しだと、胞胚の方が妊娠率は良い！とも受け取れますが、

では、桑実胚は胞胚に比べてグレードが低いのでしょうか？

 

 

まず先に・・・

その答えはNOです。

 

 

 

確かに、

採卵後５日目で胞胚に到達する受精卵は妊娠する見込みが高いと言われてます。

ですが、

この胞胚を一日繰り下げて評価をしたとしたら・・・

それが4日目の発育スピードとして妥当な　桑実胚であるとしたら・・・

この場合の桑実胚と胞胚のグレードは、同じように良好であると言えます。

つまり、胚の評価の基準としては

まず、その胚が採卵後何日目の胚であるかであり、

その上で、発育スピードを評価に加える必要が出てくるのです。

 

ですので、

５日目に桑実胚であるものと、

５日目に胞胚であるものを比較するのであれば、

胞胚の方が発育も良く

より妊娠を狙える胚として胚移植に選別されますが、

４日目に桑実胚まで発育した胚を

「胞胚の方がグレードが良いから」という誤った解釈で

５日目まで培養を継続させるのは、

症例によっては、適さない事もあります。

 

 

以上の理由からも、

当院での凍結対象となる胚は

まず第一選択としては採卵４日目に桑実胚であるもの、

そして、翌日の５日目に胞胚まで発育したものになります。

 

体外受精結果報告書の『凍結保存胚の内訳』の欄に、

桑実胚や胞胚の表記があり、

「胞胚の方が魅力的なのになぁ～」と

感じた経験のある方もいらっしゃるかと思いますが、

当院での正確かつ妥当な評価・判断のもと優先順位を決定していますので

どうぞ安心してお任せください。

 

 

 

最後に私事。

最近、セキセイインコを飼い始めました。

調布の深大寺周辺を散策中、どこからともなく飛んできた青い鳥がその彼です。

ちょうど1ヶ月前に出会い、探し主が現れなかったため飼う事になりました。

調布・深大寺・ゲゲゲにちなんで「シゲル」。

そう名付けたものの、自ら「ピピピのピーちゃん」ってしゃべっています・・・。

ど、ど、どうしましょ？笑

最近は、ひとりでよくおしゃべりをしていて

「ピースケピースケダイスキダイスキ」って言うので、　　

前の飼い主さんのことを思うと、

とても心が苦しくなります。

でも・・・元気ですよ～、お宅のピーちゃん♪♪

心当たりのある方、こっそり教えてくださいね。

 

 

では、

今年の１１月は暖かいとの噂ですが、

お体壊さないよう気をつけてください♪

 

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