幸町IVFクリニック

培養室

AMHで一喜一憂してませんか?

2012.08.02

こんにちは 毎日暑いですね~

老朽化ですよね~とか言いながら、退職した前任者と私が長年大事に(普通に)
使ってきた資材を次々に刷新していくワイルドボーイM川と、民主党のマニフェストの
「埋蔵金」を本当に徳川の埋蔵金を掘り当てるつもりでいたA川をはじめ、
新人チビッ子に囲まれて日々、口から魂がこぼれている、培養室の雀部です。はぁ~~・・・。

私はコーディネートを担当していますが、3人に1人くらい、必ず質問されるのが
“抗ミューラー管ホルモン(AMH)”についてです。

特に最近はマスコミ等で卵子の老化について耳にすることが多くなったためか、
以前より質問されることが多くなりました。
どうも卵巣年齢というものが、心配のタネらしいですね。

AMHとは、卵巣の中にどのくらいの卵があるのかを知るための指標です。
数値が高い方が卵巣の中に残っている卵の数が多い、低いと残り少ないと解釈します。

通常は、毎周期の排卵に合わせて一定の割合で卵が消費されていきますから、
年齢と共に徐々に卵巣のなかの卵子も減少し、同時にAMHも低下していきます。
よく卵巣年齢と表現されますが、これは検査値から予想される卵子の数が、
どの年齢の人と同じくらいなのか?という意味です。

AMHが高値の人の方が卵巣の反応性は高い、低値の人は反応性が低いという傾向があり、
採卵数に影響するため、あまりにも低値の場合は相応して体外受精の妊娠率も低いと予想しますが、
AMHの値は卵子の質を反映しているわけではない、というのがポイントです。

例えば、年齢は30歳なのにAMHは低値の場合、「卵巣年齢は40歳以上ですね~」
などと不用意なことを言われるかもしれませんが、卵巣の中の卵は30歳なので、
質のよい卵が育てば妊娠も十分可能です。ただ、AMHが低下するような要因があるため、
同じ年の方と比べて質のよい卵の育て方が難しく、色々な工夫が必要になることも多いですね。

逆に年齢が45歳でAMHは高値の場合、同様に卵の実年齢も45歳なので、
体外受精で見かけ上、複数個の卵が採れ発育状況は良好なのに、なかなか妊娠しない、
ということもあります。(ただし40歳以上の場合は、AMHが高値の方が、
妊娠の可能性が高くなるのは事実です)

AMH1つの目安です。大事なのはこのデータをどう治療に反映させるか?なので、
数値だけで一喜一憂するのは、精神的に損ですよね。

ちなみに、DHEAというホルモン剤のサプリメントをご存じですか?

海外ではサプリメントとして販売されていますが、ホルモン剤なので日本では
販売されていません。一般的には若返りホルモンなどと言われているのも見かけます。

DHEAはアンドロジェン作用、すなわち男性ホルモン様の作用をしますから、
AMHが低く、体外受精で発育卵胞数が低い場合、DHEAを服用することで
発育卵胞が増える傾向があると言われています。
なので若返りホルモンだからといってAMHが高値の人、つまりDHEAが不足してない、
または多嚢胞性卵巣などで過剰に存在する人が服用すると、P4の基準値が上昇したり、
場合によってはヒゲが生えちゃうかもしれませんよ・・・(^^;。

ホルモン剤のサプリメントも海外から気軽に入手出来る時代になりましたが、
ホルモン剤は強い効果を発揮するので、自分の身体に合ったものを選択することが大事ですね。

まだまだしばらく暑いのでしょうか・・・。当院では一足先に夏休みを頂きます。

皆さんも脱水に気をつけて、栄養のあるものを摂取して元気に夏を乗り切って下さいね~。


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