幸町IVFクリニック

培養室

レスキューICSI

2012.12.27

こんにちは!

最近お腹周りが気になる、培養室の前川です!(>。<)

 

前回は、「当院の体外受精での受精法の選択の仕方」について書きました。

体外受精における卵子と精子の受精の方法には、通常の体外受精(c-IVF)と
顕微授精(ICSI)の二通りあり、皆さんが体外受精を行っていくなかで
どちらの方法を用いるのか?という話でした。(前回の記事はコチラ

 

今回は、当院で行っているレスキューICSIについてお話します。

レスキューICSIとは、通常の体外受精を行って受精が成立しなかった場合に、
顕微授精を行うことを言います。これにより、通常の体外受精を行って
受精できなかった場合に、未受精のまま終わることを防ぐことができます。
もちろんレスキューICSIを行ったからといって必ず全てが正常受精をするとは
限りませんが、普通に顕微授精を行った時と同程度の受精率や妊娠率が期待できます。

 

採卵当日の体外受精の流れを簡単に説明しますと…、

採卵により卵子が得られ、精液の処理を行った結果所見が良好と判定された場合、
まず通常の体外受精を行います。

そして一定時間の媒精(卵子と精子を同じ培養液に入れて受精させること)の後、
受精の反応を確認します。この受精の確認ですが、卵子に極体という構造物が
2つ確認できることによって判断します。ただ、この極体の判別が難しい卵子も
少なくありません。そこで当院では卵子の紡錘体という構造体を観察できる
特別な顕微鏡を使い、受精の判定をより精密に行っています。
この紡錘体の動向を観察することによって受精の状況を知ることが出来ます。

このようにして受精確認を行い、その結果、受精していない可能性が高いと
判断された卵子にレスキューICSIを行います。

最終的な正常受精の確認はその翌日の朝に行い、前核という核が
2つ見えることによって正常受精を確認します。

 

ここで大事なのは、レスキューICSIは採卵当日に行うことです。

最終的な受精の確認は採卵翌日の朝に行いますが、そこで未受精が確認された卵子に
ICSIを行っても良い受精卵は得られません。卵子は採卵直後が受精するのに
最適な状態で、採卵翌日の受精確認の後だと一日も受精が遅れてしまい、
妊娠率も極端に低くなります。

当院では、経験から得られた最適な方法と特別な顕微鏡を用いることで、
採卵当日に受精反応の確認を精密に行い、レスキューICSIを施行しています。

 

当院ホームページの『クリニックのこだわり』にも関連した事が書いてありますので、
ぜひそちらもご覧になって下さいね!

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