精子の凍結保存
こんにちは。
培養室の大日方です。
最近は涼しい日々が続いていますが、今年の夏も暑かったですね。
この春にお引越しをしてから観葉植物を2回も枯らせてしまったので
この暑さで3度目がくることがないように毎日せっせと水やりをしている今日この頃です♪
さて。
前回の私が担当のブログの回で胚凍結のお話をしましたので、
今回は精子凍結について簡単にお話をしたいと思います。
精子も胚と同様生きている細胞ですから
やっぱりそのまま凍らせるわけにはいきません。
精子には精子のための凍結用培養液があります。
精子凍結用培養液には精子を氷晶から守る凍結保護剤として
※凍結保護剤については前回の大日方担当ブログ参照※
保湿でおなじみのグリセリンや
卵黄・・・卵の黄身が使われています!!
卵黄が含まれているものは本当に黄色いです(^.^)
たくさんの研究者の試行錯誤でこのようなものが使用されるようになったのですが、
使用されているものを見てみるとちょっと身近に感じますよね。
ちなみに当院では、以前は卵黄入りを使用していたこともありましたが、
現在は入っていないものを使用しています。
精子凍結の手順は、
精液を精子凍結用培養液とをゆっくり混ぜいき、専用の容器に充填した後、
液体窒素の上に浮かべた船にのせてしばらく置きます。
このようなイメージです↓
液体窒素直接でなくその蒸気によって、ゆっくり温度を下げていきます。
その後、液体窒素へ投入して凍結終了です。
胚の凍結保存の手順に比べ単純な作業にはなりますが、
丁寧に行わないと、解凍後の精子の運動性に影響が出てしまいます。
このような精子の凍結保存は患者さんすべての方に行うわけではありません。
採卵当日にご主人のお仕事の都合(出張・夜勤etc.)などで当日採精が難しいと予想される場合は、前もって精子の凍結保存をすることをおすすめしています。
採卵しても精子がないと受精できませんからね。
ただ、どんなに丁寧に処置をしても
解凍後の精液所見は凍結前に比べ低下してしまいます。
当日に採精していただくことが前提ですので、どうしてもの場合にご検討ください。
精子凍結保存をご希望の場合は、それに沿ったスケジュールや予約方法があります。
できるだけ早めに医師にご相談ください。
夏の疲れが出やすく、食欲も出ない時期ですが、
体調は精液所見にも反映されてしまいます!
バナナや海藻大豆製品に多く含まれるマグネシウムも良いそうです♪
アナゴや牡蠣に含まれる亜鉛は精子の量を増やす働きがあるそうです。
また、亜鉛は細胞が分裂をするときにサポートもしてくれるので、
胚にもとっても良い栄養素です!
細胞を作るタンパク質を基本としてバランスの良い食事を心掛けて
体調にはいっそう気を付けてくださいね。
ではまた。