幸町IVFクリニック

培養室

培養室のマウストレーニング

2019.02.28

こんにちは!

今回は培養室の大澤が担当します。

 

 

ここ最近暖かい日が増え、春を感じられる陽気に

なってきましたね。

花粉症の方にとってはこれからの季節とても憂鬱

なのではないでしょうか(^-^;

私は花粉症で目が痒くなり鼻がムズムズし始めてきました。

 

 

さて、今回は培養室スタッフの新人が行う‘’マウスを用いた

体外受精トレーニング‘’についてお話ししたいと思います。

 

当院の培養室新人スタッフは、マウスを用いたトレーニングを行い

一定の技術水準を満たさなければ患者様の大事な精子や卵子に

触れることができません。

 

マウス・・?と思った方もいると思いますが

当院の建物には密かな研究室があり

そこでマウスちゃん達を飼育しているのです。

 

 

大まかな内容は

①成熟雌マウスの過排卵処理➡②培地作成➡③精子の採取➡

④卵子の採取(採卵)➡⑤媒精➡⑥メディウムチェンジ➡⑦培養・観察

といった流れです。

 

成熟雌マウスに採卵の3日前にPMS(セロトロピン)を

採卵前日にhCG(ゴナトロピン)を腹腔内投与することにより

過排卵処理を施します。

 

(大学時代マウスが苦手で触ることすらできなかったので

最初は注射を打つだけでも一苦労でした汗

それがいつしか目まぐるしく過ぎていく日々の中で

マウスちゃん達が癒しの存在に・・・( ̄▽ ̄))

 

採卵前日に培養液を調製し、

それぞれのディッシュを用意します。

 

採卵当日。

 

まずは精子の採取から。

ジエチルエーテルによる麻酔後、頚椎脱臼を施した成熟雄マウスを開腹し

精巣上体尾部のみを切り取り、精子塊を押し出し培精用ディッシュに移して

CO2インキュベータ内で1時間培精します。

 

その間に卵子の採取。

雄マウスと同様に成熟雌マウスを開腹し卵管のみを切り取り

受精用ディッシュ内で卵子塊を採取します。

 

1時間後・・・精子懸濁液を20㎕取って受精用ディッシュ

に添加しCO2インキュベータ内で媒精します。

 

午後、卵子洗浄用ディッシュで卵子に付着した精子を除去できる

までピペッティングし、培養用ディッシュに移します。

 

翌日、受精確認。

採卵日をDay0として、Day1に2細胞期へ分割したものを

正常受精胚として観察し、その後胚盤胞期まで経過観察をします。

 

受精率且つ正常受精胚の胚盤胞到達率90%以上を目標

として10クール行っていきます。

 

 

患者様の精子や卵子を安心して預けていただく

ためにも手技の習得・向上は大切であり、

トレーニングを経てからも身が引き締まる思いで

日々の業務にあたり一人前の培養士を目指しています。

 

待ち遠しかった春ももうすぐです。

ポカポカ陽気の日には外へ出たいですね。

花粉症の方は花粉によるストレスを軽減するためにも

しっかり対策をして体調を整えておきましょう。

 

それではこの辺で(・∀・)ノ

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