培養室のマウストレーニング
こんにちは!
今回は培養室の大澤が担当します。
ここ最近暖かい日が増え、春を感じられる陽気に
なってきましたね。
花粉症の方にとってはこれからの季節とても憂鬱
なのではないでしょうか(^-^;
私は花粉症で目が痒くなり鼻がムズムズし始めてきました。
さて、今回は培養室スタッフの新人が行う‘’マウスを用いた
体外受精トレーニング‘’についてお話ししたいと思います。
当院の培養室新人スタッフは、マウスを用いたトレーニングを行い
一定の技術水準を満たさなければ患者様の大事な精子や卵子に
触れることができません。
マウス・・?と思った方もいると思いますが
当院の建物には密かな研究室があり
大まかな内容は
①成熟雌マウスの過排卵処理➡②培地作成➡③精子の採取➡
④卵子の採取(採卵)➡⑤媒精➡⑥メディウムチェンジ➡⑦培養・観察
といった流れです。
成熟雌マウスに採卵の3日前にPMS(セロトロピン)を
採卵前日にhCG(ゴナトロピン)を腹腔内投与することにより
過排卵処理を施します。
(大学時代マウスが苦手で触ることすらできなかったので
最初は注射を打つだけでも一苦労でした汗
それがいつしか目まぐるしく過ぎていく日々の中で
マウスちゃん達が癒しの存在に・・・( ̄▽ ̄))
採卵前日に培養液を調製し、
それぞれのディッシュを用意します。
採卵当日。
まずは精子の採取から。
ジエチルエーテルによる麻酔後、頚椎脱臼を施した成熟雄マウスを開腹し
精巣上体尾部のみを切り取り、精子塊を押し出し培精用ディッシュに移して
CO2インキュベータ内で1時間培精します。
その間に卵子の採取。
雄マウスと同様に成熟雌マウスを開腹し卵管のみを切り取り
1時間後・・・精子懸濁液を20㎕取って受精用ディッシュ
に添加しCO2インキュベータ内で媒精します。
午後、卵子洗浄用ディッシュで卵子に付着した精子を除去できる
までピペッティングし、培養用ディッシュに移します。
翌日、受精確認。
採卵日をDay0として、Day1に2細胞期へ分割したものを
正常受精胚として観察し、その後胚盤胞期まで経過観察をします。
受精率且つ正常受精胚の胚盤胞到達率90%以上を目標
として10クール行っていきます。
患者様の精子や卵子を安心して預けていただく
ためにも手技の習得・向上は大切であり、
トレーニングを経てからも身が引き締まる思いで
日々の業務にあたり一人前の培養士を目指しています。
待ち遠しかった春ももうすぐです。
ポカポカ陽気の日には外へ出たいですね。
花粉症の方は花粉によるストレスを軽減するためにも
しっかり対策をして体調を整えておきましょう。
それではこの辺で(・∀・)ノ