新型コロナウイルスワクチンと風疹ワクチン
看護師の増田です。みなさん新型コロナウイルスのワクチンはお受けになりましたか?
当院でも患者様からワクチン接種に関するご質問をいただくことが多くなりました。
今回は風疹ワクチンとの関係を中心に、Q&A形式でまとめてみました。
Q1体外受精治療を検討中です。新型コロナウイルスのワクチン接種を受けてもいいでしょうか?Q
8月14日付で日本産科婦人科学会から通達があり、妊婦さんも時期を問わず新型コロナウイルスのワクチン接種を受けることができるようになりました。詳しくは以下をご参照ください。
20210814_COVID19_02.pdf (jsog.or.jp)
不妊治療中の方であれば、妊娠前に済ませておくほうが望ましいのでぜひ接種を受けることをお勧めします。ただし、当院の治療周期とワクチン接種が同時期になった場合、接種後の副反応で発熱などの症状が出ると当院の治療周期の継続が困難になることがあります。治療の状況はそれぞれの患者様によって異なりますので、詳細は医師または看護師にご相談ください。
Q2 新型コロナウイルスワクチンの接種を希望しているけれど、風疹の抗体価も低いと言われました。2つのワクチンの接種間隔はどれくらいあければいいでしょうか?
風疹への免疫が不十分な妊娠20週頃までの女性が風しんウイルスに感染すると、眼や心臓、耳等に障害を持つ先天性風しん症候群の子どもが出生することがあります。(妊娠1ヶ月でかかった場合50%以上、妊娠2ヶ月の場合は35%などとされています)。妊娠中の女性は予防接種が受けられないため、妊娠前に抗体価を調べておき、抗体価が低い方は風疹ワクチン接種を受けることが必要です。風疹の抗体価は採血で調べることができます。妊娠希望の方には、自治体から費用の助成が出る場合も多いのでお住まいの自治体のHPなどを確認なさってみてください。
風疹ワクチン(主に接種されているのは、麻しん風しん混合ワクチン)を接種することで、95%以上の人が風疹ウイルスへの免疫を獲得することができると言われています。また、2回の接種を受けることで1回の接種では免疫が付かなかった方の多くに免疫をつけることができます。さらに、接種後年数の経過と共に免疫が低下してきた方に対しては、追加のワクチンを受けることで免疫を増強させる効果があります。ただし、風疹ワクチンを接種した場合、2か月の避妊期間を置かなければなりません。風疹ワクチン接種後、採卵周期には入れますが、胚移植はワクチン接種から2か月空けることになります。
新型コロナワクチンとその他のワクチンは、互いに、片方のワクチンを受けてから2週間後に接種できます。
新型コロナワクチンとそれ以外のワクチンの接種に関しては厚生労働省のこちらのページをご覧ください。
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0037.html
より詳しく知りたい方はこちらも。
Q3風疹ワクチンにはどういう副反応がありますか?
1回目のワクチン接種後の副反応として最も多く見られるのは発熱です。接種後1週間前後に最も頻度が高いですが、接種して2週間以内に発熱を認める人が約13%います。その他には、接種後1週間前後に発疹を認める人が数%います。アレルギー反応としてじんま疹を認めた方が約3%、また発熱に伴うけいれんが約0.3%に見られます。2回目の接種では接種局所の反応が見られる場合がありますが、発熱、発疹の頻度は極めて低いのが現状です。
その他ご不明な点は医師または看護師にお尋ねください。