幸町IVFクリニック

看護師・助手

プレコンセプションケアについて

2023.04.19

こんにちは。看護師の藤本です。

今回はプレコンセプションケアついてお話ししたいと思います。

 

皆さん、プレコンセプションケアという言葉をご存知ですか?

プレは「〜の前の」 コンセプションは「受胎・妊娠」 ケアは「管理」という意味で、女性や夫またはパートナーが将来の妊娠や身体の変化に備えて健康管理をすることです。

海外では米国疾病管理予防センター(CDC)や世界保健機関(WHO)がプレコンセプションケアを提唱しています。

日本でも成育基本法等を踏まえた母子保健医療対策の一環として厚生労働省や各自治体がそれぞれ取り組んでいます。

 

CDCが注意項目としてあげている一部として、

  • 飲酒→先天異常
  • 糖尿病→先天異常
  • 葉酸欠乏→神経管閉鎖障害
  • 甲状腺機能低下症→産科合併症
  • 風疹抗体(−)→先天性風疹症候群
  • 肥満→早産・妊娠高血圧症
  • 性感染症→不妊症
  • 喫煙→早産・低出生体重児

などがあります。

これらを予防・改善するために

①バランスのよい食事

②適度な運動

③禁煙(受動喫煙にも注意!)

④禁酒(妊娠前もほどほどに)

⑤疾患をお持ちの方や症状がある方は早めの受診で改善・コントロール

⑥風疹抗体検査・必要時ワクチン接種

⑦葉酸の摂取

などがあげられます。

それぞれ詳しくご説明していきたいところですが、今回は葉酸の必要性や摂取方法などについてご説明していきます。

葉酸は水溶性ビタミンでビタミンB群の一種 ビタミンB9です。

緑黄色野菜、肉類、卵黄、牛乳、豆類などの食品に含まれていますが、食品よりも葉酸サプリメントの方が約2倍の活性があると言われています。

葉酸を妊娠前から1日400μg以上(上限1000μg)サプリメントなどで摂取していると、赤ちゃんの神経管閉鎖障害を 7割近く下げることや先天性の心臓異常の抑制に影響があることなどが海外研究からわかってきています。また、子どもの発達遅滞や自閉症のリスクを減らすことが論文で発表されています。流産や 妊娠中の周産期合併症を減らしたり、母親の産後う つの予防にも有効であることがわかっているため妊娠中も葉酸サプリの摂取をお勧めします。

また、葉酸はビタミンB12とともに、赤血球を作るうえで深く関りのある栄養素で、赤血球が適切に作られて、酸素が体のすみずみまで行き渡り、肌や髪、爪をつくるたんぱく質が正しく合成されることで、アンチエイジングという意味でも注目されています。脳卒中などのリスクの低減、認知機能低下の抑制、高血圧発症リスクの低減などが期待できるとされています。

もちろん、男性も同様に必要な栄養素です。葉酸の摂取で精子数が増加したという研究結果もでています。

 

葉酸以外の項目についてもにもご夫婦で一緒に確認していただき、予防・改善に取り組んで欲しいと思っております。

 

 

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