幸町IVFクリニック

看護師・助手

乳がん検診について

2023.11.28

今回は、乳がん検診についてお話しします。

わたしはかつて勤めていた病院がちょうど乳がん検診を行っていたことをきっかけに、20代半ばから、かれこれ15年ほど毎年同じ施設でマンモグラフィと乳腺超音波検査を受けています。

自分の誕生日を軸にして、そろそろ誕生日だなぁと思うと、検診予約しとかなくちゃなぁ…と。
自分のカラダの無事を確かめ、そして安心してまた1年過ごすという、そんなところです。

当院でも、受診いただいてるみなさまへは定期的に乳がん検診を受けることをおすすめしています。

とはいえ、自覚症状がなければ、なかなか検査を受けようとは思わないかもしれません。

ですが、若いから大丈夫、自分だけは絶対に乳がんにならない、そんな保証はどこにもないんです。

現在、年間約9.5万人の女性が乳がんにかかると推定され、2021年には1万4908人の方が命を落とされています。
あまりピンとこない数字かもしれませんが、日本女性の9人に1人が生涯の間に乳がんにかかると言われています。

たとえばご自身の職場で、自分を含めた9人の女性…と、知った顔ぶれを並べてイメージしたとき、そのうちの1人が乳がんになる、と思うと、意外と身近に感じませんか?

乳がんは仕事や子育てで忙しい比較的若い世代でもかかるがんです。乳がんにかかる方は30代後半から急増し、30〜64歳の世代では乳がんが女性のがんによる死亡数で1位となっています。

ただ、乳がんはなかなか予防することは難しくても、がんが広がる前の早期の段階で発見できれば、完治する可能性がとても高いがんです。

そのために、着替えやお風呂のとき、日頃から自分の乳房の状態に関心をもって、見たり触ったりしてチェックすることをぜひ習慣化してみてください。
普段の状態を知っておけば、あれ?こんなのここにあったっけ?と、しこりなどの小さな変化にも気づくことにつながります。
ごく初期の乳がんはセルフチェックだけでは発見できないこともあるので、定期的に乳がん検診を受けることも重要です。

それもできれば、毎年同じ施設だと、なお良いです。何か見つかったときに、前回はそれが”あったのか、なかったのか”、”サイズが大きくなってきているのか、かわらないのか”、過去と比較できることがその後どうしたらいいのかを決めていくうえでの手助けとなります。

そしてなぜ、私たちが乳がん検診をおすすめしているのかというと、乳がんが発症したり大きくなることには、女性ホルモンであるエストロゲンが関係しているからです。

エストロゲンは排卵、受精などの妊娠に至る様々な過程、また胚の着床や発育、授乳への準備と、妊娠・出産の全てにおいて重要な役割を果たしています。

そのため不妊治療においても、妊娠へむけての過程の中でエストロゲンの分泌が高まったり、また、必要に応じてエストロゲンを補充するタイミングがでてきます。
それがまさか自分の知らないところで、がんが大きくなったり進行しやすくなったりすることを助けていたら…こんなつらいことはありません。

これから妊娠・治療を考えている方にはとくに、大事な瞬間をむかえるその前に!まずはマンモグラフィと乳腺超音波検査も受けていただきたい、と私たちは考えているのです。

それぞれの検査には得意分野があって、片方だけの検査では見つかりにくいタイプのがんもあります。また、乳腺の状態によっては向き不向きの検査もありますので、迷うときは受診される施設に相談してみてもいいかもしれません。

あなたの命を守るために、あなたの大切な家族のために、将来のために。
乳がんが決して自分とは遠いことの話しではないな、というきっかけになればと思います。

 

 

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