卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
2012.06.26
今回は卵巣過剰刺激症候群についてお話します。
排卵誘発剤によって卵巣が過剰に刺激されることにより引き起こされる
様々な症状を卵巣過剰刺激症候群と呼びます。
卵巣刺激により卵胞が発育したあと、卵胞の最終成熟のための
HCG注射により発症することがあります。
ほとんどは経過を見るだけで自然に消えますが、卵巣が腫大し
大量のエストロゲンが出てくることにより、血管内の水分が
血管外に漏れ出てきて腹水や胸水が溜まる場合があります。
大量の腹水や胸水が溜まると、血管内の水分が減少し
血液が濃縮することで尿量が減少します。
その結果、腎機能障害、電解質異常、血栓症、などを引き起こします。
自覚症状として下腹部痛、腹部膨満感、尿量減少、むくみ、体重増加、
息切れ、胸痛などがあります。
発症の危険性が高い場合は治療を中止したり、妊娠すると重症化するため
避妊を指導する場合があります。
卵巣過剰刺激症候群を予防するためには、定められた診察日に受診していただき
経膣超音波検査や血中ホルモン検査を行い卵巣の状態を確認します。
また、自覚症状がある場合も直ちに受診してください。
少しでも不安や疑問に思うことがあれば、いつでも声をかけてください。