幸町IVFクリニック

看護師・助手

新型タバコと妊娠

2019.03.28

こんにちは。看護師の増田です。
先日は卒業式に向かう袴姿の女子大生を見かけました。
なんとなく春先は心楽しいものです。

今日はタバコのお話をいたします。
不妊治療でホルモン剤治療中の喫煙は、治療成績が悪くなりますし、
血栓症などの合併症リスクも高まります。
妊娠を望む場合、喫煙は避けてください。


では最近時々耳にする、新型タバコは、妊娠にとってどうなんでしょうか?
例えばアイコスやプルーム・テックは「煙が出ない加熱式タバコ」です。
火を使わないので、紙巻タバコと比べて有害物質が低減されていることをうたっています。

でも有害物質が少なくなっているだけ。依然として健康リスクは存在します。

日本呼吸器学会が2017年に出した
非燃焼・加熱式タバコや電子タバコに対する日本呼吸器学会の見解です。

見解の最後は以下の文章で結ばれています。

「新型タバコは、従来の燃焼式タバコに比べてタール(タバコ煙中の有害物質のうち粒子成分)が削減されていますが、依存性物質であるニコチンやその他の有害物質を吸引する製品です。従って、使用者にとっても、受動喫煙させられる人にとっても、非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用は推奨できません。」

新型のタバコはニコチンなど有害物質を含む限り、健康には害があります。
ニコチンは妊娠にも悪影響を与えます。

 

 

さて私は最近テレビで、「ニコチンゼロ・タールゼロ」と訴える
タバコみたいな感じのCMを見ました。
「妊娠したい方妊娠している方も、これなら吸ってもいいのかな???」

 

調べてみると、こういうのは「VAPE(ベイプ)」と呼ばれていて、
「香りつきのリキッドを熱して水蒸気を楽しむアイテム」なのだそうです。
一見タバコ風ですが、タバコ葉は使用していないので、タバコではないのです。
製品名ではブルーやドクターベイプなどです。

 

製品のHPには、「有害物質は含んでおりません」「受動喫煙の心配はありません」
と記載されています。しかし一方で、未成年者や妊娠している方には
「お勧めできません」と書かれています。
まだまだ新しい製品なので、データが少なく、安全性が確立されていない
というのが現状のようです。
妊娠を望む方や不妊治療に取り組む方は、リスクがあるかどうか不明な物を
体に入れることは、避けたほうが無難と考えられます。

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