妊娠と血圧について
日ごとに春めいて花粉も飛び始めてきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
今回は血圧についてのお話です。
当院では採卵周期開始時、凍結胚移植開始時など、あらゆる場面で血圧を測定しています。
また、血圧が高い方には自宅でも血圧を測っていただいています。
今までは健康診断のときに測る程度であまり気に留めていなかったけれど、不妊治療を
スタートして頻回に測定するようになり「自分で思っているより高めだった!」と驚かれた方も
いるかもしれません。
なぜ妊娠から自分の血圧を知っておくことが必要なのかというと…
血圧は妊娠成立後より緩やかに降下(生理的血圧降下)し、妊娠20週付近で最低値となります。
その後出産(妊娠40週前後)に向けて緩やかに上昇し、妊娠前血圧まで上昇します。
生理的血圧降下は妊娠のごく初期からはじまるので、妊娠前に血圧測定をしていない場合、
妊娠によって下がった血圧を見て自身の血圧を過少評価している女性も少なくないのです。
妊娠前より自分の血圧を知り、高めであれば血圧測定の習慣を身につけ管理しておくことが
大切です。
では、血圧が高い状態で妊娠するとどのようなリスクがあるのでしょうか。
妊娠前、または妊娠20週未満で高血圧がある場合を「高血圧合併妊娠」と言います。
高血圧合併妊娠では正常血圧女性の妊娠と比較して、妊娠高血圧症候群や早産、
胎児発育遅延、常位胎盤早期剥離、帝王切開率の増加などが報告されています。
妊娠前から自分の血圧がどの程度なのかを把握し、必要があれば専門医の受信を
お勧めいたします。
また、普段から高血圧を予防する生活習慣を心掛け、万全の体調で不妊治療に臨みましょう。
実は私も最近血圧が気になってきたので、スマートウォッチを注文してみました。
上腕で測定する血圧計とどの程度の誤差があるのか?検証しながら使ってみたいと
思います。
※血圧について興味を持たれた方は、2015.2.5の「血圧の話」もお読みいただければ
更に理解が深まることと思います。よろしければどうぞ。