幸町IVFクリニック

看護師・助手

プレコンセプションケアについて②

2024.01.26

こんにちは。看護師の藤本です。

前回(2023年4月)のブログに引き続きプレコンセプションケアの2回目です。

 

前回は葉酸についてお話しました。

今回は適正体重についてですが、皆さんはご自身の適正体重はご存じですか?

 

適正体重とは

日本肥満学会では、BMIが22を適正体重(標準体重)とし、統計的に最も病気になりにくい体重とされています。25以上を肥満、18.5未満を低体重と分類しています。

 

BMI(Body Mass Index)とは

ボディマス指数と呼ばれ、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数で、国際的な指標として用いられています。

 

日本肥満学会のBMI値判定基準

 

18.5未満 低体重(痩せ型) 

18.5〜25未満 普通体重

25〜30未満 肥満(1度)

30〜35未満 肥満(2度)

35〜40未満 肥満(3度)

40以上 肥満(4度)

 

職場の健康診断などで身長・体重を測定している事がほとんどだと思いますので、結果の用紙に適正体重やBMIが表示されているか確認してみて下さい。

記入されていない方やご自身で測定した方は下記で計算してみて下さい。

 

適正体重=身長(m) × 身長(m)× 22

 

BMI=体重(kg) ÷ (身長(m)×身長(m))

 

例えば、身長:160cm 体重:60kgの方の場合は

適正体重:56.3kg BMI:23.4→普通体重となります。

 

女性に多くみられるのが、BMIでは「普通体重」の範囲内であっても、筋肉や骨より脂肪が多いケースです。

BMIが標準でも、体脂肪率が高い「隠れ肥満」の可能性があるということに注意が必要です。

当院でも術前検査で体脂肪を測定していますが、ご自身で知りたい方は体脂肪計で測定するか、以下の式でも体脂肪率を予測することができます。

 

女性の場合

(1.20 x BMI) + (0.23 x 年齢) – 5.4

(『British Journal of Nutrition』に掲載された論文より)

 

体脂肪率の判定基準(女性)

痩せ(20%未満)

標準(20%以上~30%未満)

軽肥満(30%以上~35%未満)

肥満(35%以上)

 

BMIや体脂肪率から判断し、痩せ型や肥満体型となった方は下記のリスクが考えられます。

 

痩せ型のリスク

栄養不良、慢性進行性疾患

子宮内膜症リスクや骨密度減少リスクが上昇

体脂肪率21%未満→月経不順、無月経、無排卵リスク上昇

20代の場合は卵巣年齢の高齢化要因

妊娠時には切迫早産、早産、低出生体重児を出産するリスク上昇

 

肥満体型のリスク

糖尿病、高血圧、脂質異常などの生活習慣病

排卵障害のリスク上昇

卵巣年齢の高齢化要因

乳がんのリスク上昇

体脂肪率28%以上→多嚢胞性卵巣症候群

妊娠時には妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、巨大児の発症率、帝王切開率が上昇

 

特に若い女性はスタイルを気にして痩せている方がいいという傾向がありますが、肥満だけではなく、痩せすぎも色々なリスクがあるということを知っていただきたいと思います。

 

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