幸町IVFクリニック

培養室

精液検査

2019.04.25

 

平成最後のブログを担当するのは平成元年生まれの培養室の原です。

新元号が発表されましたね。

「安」という字が絶対入るのでは!と予想していましたが、全く違うもので

びっくりしました。

新しい元号になるということに戸惑いがありますが、どんな時代になっていくのか
楽しみでもあります。

 

今回は培養室が行っている仕事の1つである精液検査について書きたいと思います。

当院で体外受精をされているご夫婦は全員受けて頂いている検査です。

ご自宅で採って頂いた精液を用いて液量、濃度、運動率、奇形率を測定します。

マクラーチャンバーという器具の上に精液を乗せ、カウンターを用いて顕微鏡下で
精子数を数えます。

 

マクラーチャンバーにはマス目がついていて、その範囲内にいる精子を
数えることで精液1ml中に存在する精子の濃度を算出することができます。

運動率はマス目の中で全く動いていない精子や動きの早いもの、

動いているが前進していないものと分けて数え、算出しています。

奇形率は頭部が大きいものや小さいものなど形の異常があるものを数え、

算出します。

なんて原始的なの・・と思われるかもしれませんが、

病院によっては精液検査にCASA(精子運動解析システム)を導入し
機器で測定しているところもあります。

機械による検査は客観性が高く、時短で済むメリットはありますが

完全にコンピューターを信用することに抵抗を感じている施設は

CASAと当院のような目視法両方を採用しているところもあります。

当院で行う臨床の場合、機械で得られるような詳しい解析は特に必要ではない
ということや、患者様にかかるコストのことも考え、目視法を採用しています。

 

精液検査の結果、精子の所見が悪いと採卵当日の受精法が変わってきます。

十分な量の精子が得られる場合は通常の体外受精を選択しますが、

精子の濃度や運動性が低い場合、顕微授精を選択することになります。

また、精子は受精に必要なだけでなく妊娠全体に関わってくる重要な要素になります。

妊娠後の流産率や生児獲得率は卵子だけではなく精子の影響も受けます。

タバコや過剰な量のアルコール、暴飲暴食や激しい運動、睡眠不足は

精子の質に影響を与える大敵ですのでお控えください。

現在体外受精の治療をされている方、これから治療をする予定の方は

精子の質を高めるために、生活習慣の改善を心がけましょう!

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