世界的に精液の質が悪化
幸町IVFクリニック院長の雀部です。
医学は絶えず発展しています。生殖医学の分野でも新しい知見が続々と発表され、疾患や治療に対する考え方は常に変化しています。このブログでは、妊娠を希望されているご夫婦向けに、新しく発表された知見のポイントをQ&A形式で簡潔に紹介していきます。
今回は若い男性の精液の質が悪化している話です。
Q 昔に比べて若い男性の精液の質が悪化しているという話は本当か?
A 本当です。世界的に悪化の傾向があります。
根拠となる論文は、
264,665人(1978年~2021年、28ヵ国)の男性のデータを解析した結果、総精子数、精子濃度、前進運動精子に有意な低下傾向が認められたと報告しています。
論文のエビデンスレベルは、
メタ解析のため、エビデンスレベルは高いです。
監修医師紹介

幸町IVFクリニック 院長 雀部 豊
医学博士、産婦人科専門医、生殖医療専門医、臨床遺伝専門医
1989年東邦大学医学部卒業、1993年同大学院修了。
大学院時代は、生殖医学専門の教授に師事し、胚の着床前診断(現在の着床前遺伝学的検査PGT)の研究を行う。以降、生殖医学を専門に診療・研究を従事。2011年、東京都府中市に幸町IVFクリニックを開設、同クリニック院長。一般不妊治療から生殖補助医療、着床前遺伝学的検査(PGT-A/SR)まで幅広く診療を行っている。
※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的な施術や商品等を推奨しているものではございません。