幸町IVFクリニック

院長

顕微授精ICSIの安全性

2024.09.26

幸町IVFクリニック院長の雀部です。

医学は絶えず発展しています。生殖医学の分野でも新しい知見が続々と発表され、疾患や治療に対する考え方は常に変化しています。このブログでは、妊娠を希望されているご夫婦向けに、新しく発表された知見のポイントをQ&A形式で簡潔に紹介していきます。

今回は顕微授精ICSIの安全性の話です。

診察の際に、顕微授精ICSIの安全性に懸念を示されるご夫婦がいらっしゃします。生殖細胞に操作を加える技術ですので、当然の心配だと思います。その安全性について研究した論文を紹介します。

Q 顕微授精ICSIにより、胎児や生産児に先天奇形が増える?

A IVF児とICSI児を比較したところ、妊娠結果や先天奇形に関して差はなかった。

根拠となる論文は、

Zhang, N., et al. (2024). “A comparison of pregnancy outcomes and congenital malformations in offspring between patients undergoing intracytoplasmic sperm injection and conventional in vitro fertilization: a retrospective cohort study.” Fertil Steril 121(6): 982-990.

論文のエビデンスレベルは、

後方視研究ですが、サンプルサイズが十分大きいため、データの信頼性は高いと思います。

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